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- 2025.11.17「言葉足らずの原因は“思い込み”?伝わる話し方のコツ」
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今回は、「自分の中だけで分かっていることを、相手も知っていると思い込んで話してしまう」というお悩みについてお話しします。
話し方教室ネイチャースタイルの講師であり、心理カウンセラーの吉国が、この「無意識の思い込み」を打ち破り、情報を確実に伝えるための具体的な技術と、心の持ち方についてお話しします。言葉足らずの背景にある“前提のズレ”
「ちゃんと話したのに、伝わっていない」「説明したつもりなのに、相手がポカンとしている」
🟡 “共有の思い込み”
そんな場面、誰でも一度は経験があると思います。
でも実は、これは“話し方の技術”だけの問題ではありません。
多くの場合、それは自分の中では話がつながっているのに、相手に必要な情報を言葉にしていないために起こります。
その背景には、「自分の中の情報は、相手にもあるはず」という“前提のズレ”が潜んでいることが多いのです。特に、発達障害(グレーゾーン含む)の特性を持つ方にとっては、「言ったつもり」や「分かっているだろう」という“省略”ではなく、そもそも無意識のうちに「相手も同じ情報を持っている」と思い込みやすい傾向があります。
🟡 実例:受講生インタビューより
これは、悪気でも不注意でもなく、認知(脳の情報処理)のスタイルの違い。
だからこそ、責めるのではなく、丁寧に“橋をかける”工夫が必要です。ある受講生さん(40代・女性)は、職場での報告がうまく伝わらず悩んでいました。
「私はちゃんと話してるのに、なんで“説明不足”って言われるんでしょう?」と。
レッスンで話を聞いてみると、・報告の背景や目的が抜けている
・専門用語が前提なしに使われている
・相手の理解度を確認していない
という“情報の飛び越え”が起きていました。
でも本人にとっては、「それらが抜けている」「これを言わないと相手にとっては話が見えない」という意識がなかったんです。💡 ネイチャースタイル独自の視点
レッスンを通じて感じるのは、言葉足らずの問題は、単なる「説明の技術」だけではないということです。
🧠 頭の中で起こっていること(情報が伝わりにくい理由)
特に、「情報のまとめ方・処理の仕方」に独自のパターンを持つ方は、次に挙げるような感覚が強くなることがあります。・情報を「一つのセット」にしてしまう
頭の中で物事がカチッと整理されると、その情報が非常に明確で完璧な「一つのセット」になります。
そのため、そのセットを相手に渡すときに、「相手が分かるように、一つひとつ細かく分けて渡す」ということをつい忘れてしまいがちです。
・頭の中の「図」や「設計図」が相手にも見えると思い込む
あなたは、話の内容や手順を、頭の中で絵や設計図のように構造化して理解しています。
そのため、相手にもその「図」や「手順」がそのまま見えていると無意識に思ってしまいます。
結果として、図の説明に必要な「最初(前置き)」や「流れ(経過)」、「最終的なゴール(目的)」といった言葉(=図の枠組み)が抜け落ちてしまうのです。思い込みを防ぐ「3ステップ話法」
[心構え] “相手の頭の中”には、自分が話さないと“自分の頭の中”は見えないと意識する。
“相手の中に地図を描く”ように、自分の中だけにある情報を、相手の中にも描くように伝える。1. “前提”を言葉にする習慣をつける
「この話は〇〇の続きです」「前提として△△があります」「こういう意図でこの話をしています」など、背景を一言添えるだけで、相手の理解度が大きく変わります。2.「具体的=優しさ」という新しい定義を持つ
「言葉足らずになっていないか?」と不安になったら、すぐに「誰が、何を、いつやるのか?」という具体的な要素を付け足して話す。
特に主語抜けに気を付ける。3. 相手の理解を確かめる
「ここまでで大丈夫ですか?」「伝わってますか?」と聞くことは、相手への思いやり。
この③が特に大事で、会話の最後に「わかりづらいところなかったですか?」「この説明で伝わってますか?」と一言添えるだけで、思い込みを防げます。ネイチャースタイルのレッスンでも、実際にこうした“前提や確認の練習”を繰り返すことで、会話のズレが減っていく方が多くいらっしゃいます。
💖 カウンセラーからのメンタルアドバイス:自己否定に陥らないために
●言葉足らずに悩む方は、「伝わらない=自分がダメ」と思ってしまう方もいます。
でもそれは違います。
伝わらないのは、あなたの“価値”ではなく、“伝え方のスタイル”の問題です。
認知の違いがあるからこそ、工夫が必要。そしてその工夫は、誰にでもできるものです。●中には、「長く説明すると面倒くさい人と思われそう」「何度も言うのは失礼かも」という不安から、省略してしまう方もいます。
でも実際には、丁寧に補足してくれる人ほど信頼されるのです。教室の受講生さんの中にも、以前は「説明が苦手」とおっしゃっていた方が、「補足を加えたら、職場で“話が分かりやすい人”と言われるようになりました」と嬉しそうに話してくださったことがあります。
🧩 最後に
ネイチャースタイルでは、こうした“認知のズレ”に寄り添いながら、一人ひとりに合った伝え方を一緒に探していきます。
あなたが自信を持って、明確に情報を伝えられるようになるまで、スキルとメンタル両面からサポートいたします。
「受講生の声」や「受講生インタビュー」も、ぜひ参考にしてみてくださいね。次回も「話し方のコツ、ワンポイントレッスン」で、日常をもっと心地よくするヒントをお届けします✨
[吉国 裕子] 話し方教室 ネイチャースタイル / コミュニケーショントレーナー・心理カウンセラー





























